医療連携体制加算の考え方

厚生労働省における医療連携体制加算の考え方

医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)に係る取り扱いについて(障福第3600号抜粋)

障害福祉サービス等に設定されている医療連携体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)については、医療機関等との連携により、看護職員が事業所等を訪問して利用者に対して看護を行った場合に請求できる加算であるが、一部の事業所において、医師の指示に基づく看護行為をしていないなど、不適切な事案が見受けられたことから、下記留意点を踏まえ、適切な取り扱いをしていただくようお願いします。

※厚生労働省医政局は保健師助産師看護師法等の解釈において、「医療行為」を定義しており、専門知識を持ったメンタルヘルスケアも看護行為と認められる

【留意点】

看護行為は、資格を有する看護職員による医療的ケアを行うものであり、医師による具体的な看護支持(看護理由、必要回数、看護内容等)に基づいて行われること。

別添資料:平成17年7月26日付け医政発第0726005号「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」参照(※「2、医療行為について」にて記載しております。)

この加算は、看護職員から当該看護行為を受けた利用者に対する加算としていることから、当該利用者に対する看護行為等を個別支援計画に明確に位置づけて実施すること。

事業所等においては、医師による看護指示等、看護職員による看護記録の写し等を整備・保存した上で、適切な取り扱いをするように留意すること。

医療行為について(医政発第 0726005 号平成 17 年 7 月 26 日抜粋)

医師、歯科医師、看護師等の免許を有さない者による医業(歯科医業を含む。以下同じ。)は、医師法第 1 7 条、歯科医師法第1 7 条及び保健師助産師看護師法第 3 1 条その他の関係法規によって禁止されている。ここにいう「医業」とは、当該行為を行うに当たり、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぽし、又は危害を及ぽすおそれのある行為(医行為)を、反復継続する意思をもって行うことであると解している。

ある行為が医行為であるか否かについては、個々の行為の態様に応じ個別具体的に判断する必要がある。しかし、近年の疾病措造の変化、国民の間の医療に関する知識の向上、医学・医療機器の進歩、医療・介護サービスの提供の在り方の変化などを背景に、高齢者介護や障害者介護の現場等において、医師、看護師等の免許を有さない者が業として行うことを禁止されている「医行為」の範囲が不必要に拡大解釈されているとの声も聞かれるところである。

このため、医療機関以外の高齢者介護・障害者介護の現場等において判断に疑義が生じることの多い行為であって原則として医行為ではないと考えられるものを別紙 の通り列挙したので、医師、看護師等の医療に関する免許を有しない者が行うことが適切か否か判断する際の参考とされたい。なお、当然のこととして、これらの行為についても、高齢者介護や障害者介護の現場等において安全に行われるべきものであることを申し添える。

  1. 水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、及び耳式電子体温計により外耳道で体温を測定すること
  2. 自動血圧測定器により血圧を測定すること
  3. 新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメータを装着すること
  4. 軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること(汚物で汚れたガーゼの交換を含む。)
  5. 患者の状態が以下の3 条件を満たしていることを医師、歯科医師又は看護職員が 確認し、これらの免許を有しない者による医薬品の使用の介助ができることを本人又は家族に伝えている場合に、事前の本人又は家族の具体的な依頼に基づき、医師の処方を受け、あらかじめ薬袋等により患者ごとに区分し授与された医薬品について、医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上、看護職員の保健指導・助言を遵守した医薬品の使用を介助すること。具体的には、皮膚への軟膏の塗布(褥癒の処置を除く。)、皮廣への涅布の貼付、点眼薬の点眼一、包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助すること。
  1. 患者が入院・入所して治療する必要がなく容態が安定していること
  2. 副作用の危険性や投薬量の調整等のため、医師又は看護職員による連続的な容態の経過観察が必要である場合ではないこと
  3. 内用薬については誤燕の可能性、坐薬については肛門からの出血の可能性など、当該医薬品の使用の方法そのものについて専門的な配慮が必要な場合ではないこと

【注1】以下に掲げる行為も、原則として、医師法第1 7 条、歯科医師法第1 7 条及び保健師助産師看護師法第3 1 条の規制の対象とする必要がないものであると考えられる。

  1. 爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、粗尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること及び爪ヤスリでやすりがけすること
  2. 耳垢を除去すること(耳垢塞栓の除去を除く)
  3. 重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れ を取り除き、清潔にすること
  4. ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること。(肌に接着したパウチの取り替えを除く。)
  5. 自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと
  6. 市販のディスポーザプルグリセリン浣腸器(※)を用いて浣腸すること

※挿入部の長さが5から6センチメートル程度以内、グリセリン濃5度0%、成人用の場合で4 0 グラム程度以下、6 歳から1 2 歳未満の小児用の場合で20グラム程度以下、1 歳から6 歳未満の幼児用の場合で1 0 グラム程度以下の容量のもの

【注2】上記1 から5 まで及び注1 に掲げる行為は、原則として医行為又は医師法第

1 7 条、歯科医師法第1 7 条及び保健師助産師看護師法第3 1 条の規制の対象とする必要があるものでないと考えられるものであるが、病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医行為であるとされる場合もあり得る。

このため、介護サービス事業者等はサービス担当者会織の開催時等に、必要に応じて、医師、歯科医師又は看護職員に対して、そうした専門的な管理が必要な状態であるかどうか確認することが考えられる。さらに、病状の急変が生じた場合その他必要な場合は、医師、歯科医師又は看護職員に連絡を行う等の必要な措置を速やかに講じる必要がある。

また、上記 1 から3 までに掲げる行為によって測定された数値を基に投薬の要否など医学的な判断を行うことは医行為であり、事前に示された数値の範囲外の異常値が測定された場合には医師、歯科医師又は看護職員に報告するべきものである。

【注3】上記1 から5 まで及び注1 に掲げる行為は原則として医行為又は医師法第

1 7 条、歯科医師法第1 7 条及び保健師助産師看護師法第3 1 条の規制の対象とする必要があるものではないと考えられるものであるが、業として行う場合には 実施者に対して一定の研修や訓練が行われることが望ましいことは当然であり、介護サービス等の場で就労する者の研修の必要性を否定するものではない。また、介護サービスの事業者等は、事業遂行上、安全にこれらの行為が行われるよう監督することが求められる。

【注4】今回の整理はあくまでも医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等の解釈に関するものであり、事故が起きた場合の刑法、民法等の法律の規定による刑事上・民事上の責任は別途判断されるべきものである。

【注5】上記1 から5 まで及び注1 に掲げる行為について、看護職員による実施計画が立てられている場合は、具体的な手技や方法をその計画に基づいて行うとともに、その結果について報告、相談することにより密接な連携を図るべきである。 上記5 に掲げる医薬品の使用の介助が福祉施設等において行われる場合、に看は 護轍員によって実施されることが望ましく、また、その配置がある場合には、その指導の下で実施されるべきである。

【注6】上記4は、切り傷、擦り傷、やけど等に対する応急手当を行うことを否定するものではない。

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医療連携体制加算の算定に係る要件の取り扱いについて

(沖縄子ども生活福祉部障害福祉課抜粋)

医療連携体制加算(Ⅰ)、(Ⅱ)及び(Ⅲ)(児は(Ⅴ)(Ⅵ)含む)は、医師の指示に基づき看護が必要な利用者に対して看護の提供を行った場合や喀痰吸引等に係る指導を従事者に対して行った場合に算定することとなっております。

しかしながら、要件を満たさずに加算の算定を行う事業者が散見されることから、下記のとおり適切に加算の算定を行うよう、御理解のほどよろしくお願いいたします。

なお、医師の指示などがなく加算の請求を行った分については、各事業者において金額や算定期間等の資料を整理の上、各支給決定市町村と調整して返還等の手続きを各自で行うよう、よろしくお願いいたします

  1. 「医師の指示」については原則として利用者の主治医又は事業所の嘱託医等、利用者の状態が分かる医師から指示を得ることとし、指示があったことが客観的に分かるよう、指示書や記録など文書で残し事業所に保管しておくこと。
  2. 算定の対象となる「看護」とは、喀痰吸引等の医療的ケアなど看護師が行うことが適切であると客観的に認められる行為とし、健康上問題のない利用者に対してバイタルチェックを行うだけの行為等は算定の対象とはしないこと。
  3. 加算算定の対象とする利用者は、上記2の看護等が必要な利用者に限定するものとし、事業所の利用者に対して、一律に加算を算定することなどがないようにすること。

医療連携体制加算の考え方について(一問一答形式)

【問1】

医療連携体制加算(Ⅰ)、(Ⅱ)及び(Ⅲ)は「医療機関等との連携により、看護職員を事業所等に訪問させ当該看護職員が障害者等に対して看護の提供又は認定特定行為業務従事者に対し喀痰吸引等に係る指導を行った場合」加算されるものとなっているが、事業所等が看護職員を雇用して配置した場合は加算の対象となるのか。

【答1】

事業所等が看護職職員を雇用して医療的ケア又は喀痰吸引等に係る指導を行った場合についても加算の対象となる。ただし、この場合においても、医師の指示に基づいて行われる必要がある。なお、基準上事業所に配置が求められている従業者のうち保健師、看護師又は准看護師の資格を有する者が、医療的ケア又は喀痰吸引等に係る指導を行った場合についても加算の対象となるが、その場合は当該業務に係る勤務時間は基準上必要な常勤換算の時間数には含めないこと。

【問2】

事業所等に雇用された看護職員が当該事業所等の利用者に対し喀痰吸引等を行った場合、医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)が算定されるのか、それとも医療連携体制加算(Ⅳ)が算定されるのか。

【答2】

看護職員が喀痰吸引等を行った場合は、医療連携体制加算(Ⅳ)ではなく、医療連携体制加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する。ただし、この場合においても、1名の看護職員につき医療連携体制加算(Ⅱ)が算定できる利用者は8名までとし、1名の看護職員が8名を超える利用者に対し喀痰吸引等を行う場合は、8名を超える分の利用者については医療連携体制加算(Ⅳ)を算定すること。なお、基準上事業所に配置が求められている従業者のうち保健師、看護師又は准看護師の資格を有する者が喀痰吸引等を行った際に、医療連携体制加算(Ⅱ)及び(Ⅳ)を算定する場合は、当該喀痰吸引等の業務のうち医療連携体制加算(Ⅱ)の算定に係る勤務時間は基準上必要な常勤換算の時間数に含めることはできないが、医療連携体制加算(Ⅳ)の算定に係る勤務時間は基準上必要な常勤換算の時間数に含めることができる。